『蛍雪の功』という言葉が好きです。
この言葉の由来となったのはある中国の故事です。
“中国の東晋王朝の時代。車胤という人物は、貧しくてともし火に用いる油が買えないため、夏になると数十匹の”蛍“を集めて袋に入れ、その光で夜も本を読んでいました。また、孫康という人物は、やはり貧しかったので、冬の夜には、窓辺に映る”雪“の明かりで本を読んでいました。二人とも、このように苦労して学問をした結果、高級官僚にまで出世したということです。”
昔は、「なんだか貧乏くさい話だなあ」くらいに思ってましたが、年を重ねるにつれて、この情景の美しさや、貧しくても勉強できることの尊さのようなものが伝わってきて、わずかな感動さえ感じるようになってきました。
そして、今なんとなく勉強している人にもぜひそんな気持ちになってほしいなと思っています。
塾生が塾にやって来るとよく言う言葉があります。
「先生、何やったらいいですか?」
おしい! と、つい思ってしまいます。
頑張って勉強をするために塾まで来たのはすばらしいことです。
が、できることなら塾が終わってそこを出るときの「成果」までイメージできるともっとすばらしいですね。
つまり、今日この塾で何をもぎ取っていくか、です。
そうしたら、今日何をやったらいいかは何となくでもわかるはずです。
でも、言うのは簡単、中々できる人がいないのも事実なんですが。
「指示待ち」というのは一番楽な方法です。
今日やる課題を先生が教えてくれるまで何もせず静かに待っていることです。
目立つこともない代わりに特別悪いことをしているようにも受け取られない。
ただそれは本当はもったいない事です。
「指示待ち」をして先生からもらった課題に取り組むのと、自分が今日これをしようと思ってきた課題に取り組むのとでは、その課題にかける意欲や理解度にかなりの違いが出てきます。
実際に塾生を見ていると分かるのですが、何も言われなくとも自分で課題に取り組むの人は、必ずおしりを意識しています。
つまり今日のゴールです。
このゴールに到着するためには今日は何をどこまでした方がいいのか、できそうなのか。
終わった後は、今日貯金ができたのか、借金生活になってしまったのか。借金はいつまでにどうやって返していけばいいか。
ということを考えています。
塾で勉強する時間には限りがあります。
塾生にはぜひ「塾を利用できる人」になってほしいと思います。
できるだけ皆さんが取り組みやすいように学習計画表も渡してあります。
いつまでにどこまでやるかの目安は分かるようになっています。
質問はいつでも大歓迎状態で先生もスタンバイしています。
塾は自分のためにとことん利用すべきです。
最後に、
『蛍雪の功』の話のポイントは、その後二人とも大出世するところです。