現在わかば学舎では、中学受験を希望される小学生の皆さんを快く受け入れております。
ただ、ひと昔前の私はというと、塾講師でありながら中学受験に対してはかなり否定的でした。
どうして、精神的にまだまだ未成熟な小5、小6くらいの子たちに、入試という過酷な試練を課さなければいけないのかと。
もし結果がダメだった場合、心に大きな傷を負ってしまわないだろうかと。
しかし今では少し考えが変わっています。
中学受験用の問題を見ていると分かります。
いかにもな難問は別としてですが、まっとうな中学受験用の受験勉強であれば、小6までの時期に中学生レベルの国語の良質な文章を多く読む機会が与えられ、算数においても思考力・計算力を鍛え上げる勉強をすることが出来ます。
それは、今後の中学、高校の学習にとってむしろプラスにしかならない、そう思うようになりました。
受験結果がどうであれです。
またこの一番の頭脳成長期に、受験対策として「読解力」や「思考力」を磨き上げてきて、なおかつ受験の大変さ、負けた悔しさを知っている中学受験経験組は、高校受験ではめちゃくちゃ強いです。
中学受験で成功しようが失敗しようが、その経験は必ず今後の糧になります。
とは言っても、すべての人が中学受験をすべきだとは思っていません。
少なくとも基礎的な学力がある人、学校のテストでは90点以上を必ず取れる人に限ります。
基礎力無くして思考力は鍛えられないからです。
基礎力がまだ完全についていない場合は、無理をして受験すべきではないと思います。
東京などの首都圏に比べたら宮城は中学受験熱はさほど熱くない地域かと思いますが、それでも仙台二華中や青陵中などの公立中高一貫校は志願倍率も高く、合格を勝ち取るのはそれはそれは大変なことなのです。
もし中学受験を我が子にとお考えの親御さんはまず、
1.子どもに『基礎力』は身についているか
2.子どもの受験意欲はあるか
3.親御さんが子どもの勉強をサポートできるか
この全てがクリアできているかをまず考えてみてください。
特に、中学受験に限っては「3.親御さんが子どもの勉強をサポートできるか」が重要になってきます。
中学受験用の問題ともなれば大人でもなかなか解くのが難しく感じると思いますが、それでも子どもの勉強には何らかの形で関わってもらいたいと思います。
何も勉強の中身だけを見るのがサポートではありません。
目標の設定、スケジュール作成、教材の選定、進み具合の確認、時間の管理、弱点の指摘などなど、周辺のサポートはいくらでもあります。
そして何よりメンタルのケア。
高学年とはいえまだ小学生なのですから、遊びたい、楽をしたいという気持ちが起こってくるのは当然で、最初に抱いた情熱がしだいに冷めてくるかもしれません。
そんな時にさりげなく一声掛けたり、タイミングよく気分転換を勧めてくれたりするのは、やはり子どもの性格をよく知った親御さんしかいません。
子どもにとって中学受験は人生一度きりの経験です。
どうか、苦痛だけの記憶しか残らないような受験にはしないでもらいたいと思います。
仕事でなかなか子どもと会話する機会を持てないかもしれません。
最初に決めるときは会話をしたけど、それ以降はあまり子どもと関われていないという親御さんもいるかもしれません。
ただ、親が仕事に逃げているうちは、残念ながらその受験はうまくはいかないです。