宮城県の中学入試では、ほぼ全ての学校で「作文問題」が出題されます。
(入試で「作文」を課す中学校)
・仙台二華中学校(500~600字)
・宮城教育大学附属中学校(160~180字)
・東北学院中学校(500~600字)
・秀光中等教育学校(400~500字)
・仙台白百合学園中学校(400~600字)
・聖ウルスラ学院英智中学校
・尚絅学院中学校(300字程度)
・宮城学院中学校
つまり、中学受験を考えている子にとって、作文は避けては通れない「大きな壁」になります。
「大きな壁」と表現したのはもちろん、ほとんどの子にとって作文が苦手分野になってしまっているからに他なりません。
ただそれは致し方のない面もあります。
学校の国語の授業では、文章の内容について考える「読解力」を上げることを主目的としていて、どう書けば相手に伝わるのかといった「作文技術」についてはほとんど教えてくれないからです。
せいぜい夏休みの課題として読書感想文を書くくらいですよね。
私も子供の頃に、どう書いたら伝わる作文になるのかについて教わった記憶が残念ながらありません。
にもかかわらず、どうして中学入試で作文が重視されているのでしょう?
それは作文を通して、その子が持っているさまざまな能力を手っ取り早く見ることが出来るからです。
具体的には以下のような力の事です。
・論理的思考力
・発想力
・表現力
・論述力
・語彙力
これらの力は、よく見るとどれも社会人に必要な力ばかりですね。
「社会を生き抜く力」とも言い換えられると思います。
少し硬い話になりますが、2020年の教育改革により文部科学省が定めている「学習指導要領」が改訂されています。
”社会の急速な変化に柔軟に対応する力をつける”という目標のための改訂なのですが、少々乱暴かもしれませんが、分かりやすく言い換えるならば『脱暗記』です。
つまり、これまでのように知識を詰め込む(暗記)だけでは駄目ですよ、と言っています。
これからは、その知識を活用しつつもその先の可能性を考えたり、または全く新しいものを生み出したりしながら、この社会を生き抜いていかなくてはならなくなる場面が多くなることを示しています。
つまり、論理的思考力や発想力、表現力といった力がこれまで以上に求められてきます。
実際、今後10年~20年程度で半数近くの仕事が自動化される可能性が高いとも言われています。
今は中学受験のために仕方なく作文に取り組まないといけないという人も多いかもしれませんが、その勉強を通して得られる力は絶大で、この時期に「書く力」を鍛えられるのは非常に有意義です。
大きなメリットとして、『自分の価値観』を見つけられる、気づくことができるということが挙げられます。
では、『自分の価値観』とは何でしょうか?
以下は、中学入試で出されるような作文問題の一例です。
・あなたは他の生物との「共生」を進めるためにはどんなことが必要だと考えますか
・「ゴミ問題」について、あなたが感じたり考えたりしたことは何ですか
・「勉強することの目標」についてどのように考えますか
作文の練習をすると、こういった問題に対する自分の考えを持たなければなりません。
真剣に考えなければいけません。
なぜなら、深く真剣に考えれば考えるほど、出来の良い作文が書けるからです。
今までなんとなく見聞きしていたことの一つ一つについて、自分の感情と理性を整理しながら自分としての答えを持ち、それを書くことで形にする。
これを繰り返すことで現れるのは、『自分の価値感』に他なりません。
自分の価値感を持つことのメリットについては次の記事でもお伝えしたいと思いますが、もっともっと作文の可能性をみんなに気付いてもらえたらなと思います。
少し考えて書くだけで、本当に伝わる作文が書けるようになります。
人とは違った、”光る文章”が書けるようになります。
そんな思いもあって、この度『作文教室』を中学受験特別講座として開講することに致しました。
「書く楽しさ・喜び」を知ることは、受験以上に大切なものもきっと得られるはずです。
作文教室