今、受験生に一番必要な力

冬期講習、無事終了。

冬休みなので短い期間でしたが、今年は例年以上に参加者の多い講習となりました。

 

うちの塾の席数は10席です。

今回の講習では、それが毎時間埋まるくらいでした。

みんなの熱気や気合いを感じながら、換気やリフレッシュにも注意しながら、無事に終えることができたところです。

 

そして今年の特徴は、中3生の頑張りが目立ったことです。

冬期講習では(夏期講習もですが)、中3生のみ『一日受講コース』というのを設定しています。

朝の9時から夕方の4時まで、昼食休憩を挟んで6時間ぶっ通しで勉強するという少々ハードなコースなのですが、このコースに今回は4名の中3生が挑んでくれました。(通常は参加者が1名いるかいないかです。)

 

実はこのコース、「勉強時間が増える」こと以外にも隠れたメリットがあるのです。

 

一番必要なのは「やる気」でも「学力」でもない、「継続する力」だ

何かのタイミングで「やる気」は出せます。

例えば「模試が悪かった」、「先生に何か言われた」、「おすすめの勉強法を聞いた」などなど。

一時は次こそやってやるぞ、という気持ちで勉強に向き合うことは誰でもできます。

 

でも一番大事なのはそれを「継続する力」。

 

結局、きちんと継続できたものしか自分の力にはなっていきません。

 

  • 2,3回は頑張ったけど途中で辞めた勉強法
  • 途中で放り投げてしまった空白だらけの問題集
  • 最初は全科目まんべんなくしていたのが気がついたら手を付けなくなった科目

 

があったりして結局次のテストの時も実を結ばないのは、「やる気」とか「学力」が問題なのではなく、成果が出るまでそれを継続していないからです。

 

話は戻りますが、冬期講習の『一日受講コース』では、この「継続する力」を付けることができるようになります。

少なくとも今している『受験勉強』という取り組みに、やる気や学力などには頼らず没頭できるようになります。

 

これは、今この時期の中3生に一番必要な力です。

 

中3受験生に残された2か月間、まさに『継続は力なり』、『継続は栄光をつかみ取る』の言葉がふさわしい期間になることを、特にこの冬頑張った生徒さん達には大期待してしまいます。

 

ライバルがやって来た!

この塾には、小学校から通ってきていただいているAさんという現在中3の生徒さんがいます

前にも紹介しましたが、新みやぎ模試では常に上位の成績を収めるとても勉強のできる生徒さんです。

中学校の定期テストでも常に学年1位をキープし続けています。

 

そのAさんが、中1の時に一度だけ学年2位になったことがありました。

500点満点中487点だったので、決してAさんの出来が悪かったわけではありません。

 

その時に学年1位になったのはB君という子だったのですが、そのB君がなんと、夏休み後にこの塾にやってきました。

そう、まさに「ライバルがやって来た!」です。

 

たまたま親御さん同士がお知り合いだったのでこちらの塾をご紹介いただいたそうなのですが、Aさんはもしかしたら嫌かなあと思い、それとなくAさんに聞いたところ、

「怖いです~。」と言いつつも、目が輝いていたのを私は見逃しませんでした。

 

事実、それからのAさんの勉強量が非常に増えました。

塾帰りに持って帰るテキストの量が格段に増え、いつも重そうにしながら帰っていきます。(塾は置き勉を許可しており家庭学習に必要なテキストだけ持ち帰るスタイルです)

自宅学習の成果を見せてくれる時も、小さな文字でびっしりと埋め尽くされたノートになっています。

 

今回に限っては明らかに良い効果となるライバルの出現でした。

B君は最初、Aさんにとっては本当に怖い存在だったのかもしれませんが、知らないうちに何か自分にスイッチを入れてくれるような、そんな存在になったのかもしれません。

 

「ライバル」を広辞苑で引くと「競争相手、好敵手」と出ます。

まさに好敵手ですね。

 

そしてB君も負けてはいません。

直近の新みやぎ模試では、数、英、国の3科目では県内1位でした。(ちなみにAさんは県内2位でした)

 

B君はこれまで独学で勉強してきました。

つまり今までは「見えない相手」もしくは「自分自身」と闘ってきました。

それが今は、塾に来ればいやでも刺激を受けるライバルがそこにいます。

黙々と勉強する姿が目に入ります。

二人とも塾では全く会話はないのですが、お互いに刺激し合っているのをひしひしと感じます。

 

この二人を見ているといつも「赤毛のアン」のアンとギルバートを思い出してしまいます。

(私は男子ですが「赤毛のアン」シリーズの愛読者です)

アンとギルバートはお互いを常に意識しながらもある出来事がきっかけで5年間口をきかないのですが、その地区の1,2位の学業成績を争う好敵手になっていきます。

それとすごく似ています。

 

こんな関係を身近で見ることなんて、ありそうで無かった経験なので少し興奮しています。

お二人の第一志望校は今のところそれぞれで違うのですが、この「ライバルの存在」という最大のメリットを受け続けてもらえたらと思います。

 

自画自賛ですが、いい環境を提供できているなと感じます (^^)

 

さて、こんな二人にこの塾はあと何をしてやれるのか、

なのですが、こういった上位層の子たちにはこれといった「大きな穴」はもはやありません。

 

でも「小さな穴」はまだまだたくさんあります。

そういった小さな穴を埋める作業のお手伝い、もっと言えばその小さな穴を効率よく見つけるお手伝いがこの塾にできることだと思っています。

 

ちなみに先述した新みやぎ模試の結果ですが、数英国の3科目では県内1位(B君)と2位(Aさん)でしたが、数英理社国の5科目になると県内7位(Aさん)と13位(B君)にやや下がります。

つまり理科と社会については、まだまだ「小さな穴」は存在するということです。

 

具体的にすべき事ですが、難易度の高い問題をやると同時に、過去問による実践タイプの問題、それも県内の過去問に留まらず他県の問題にも数多く触れることで、より効率よく小さな穴も埋められていくと思います。

 

教材で言うと、

・精選全国高校入試問題集

・3年間の高校入試セレクト

などの塾専用教材や、市販本では、

・全国高校入試問題正解

などが使えると思います。

 

来週からは中学生の生徒さんとの二者面談、そのあとは保護者面談と忙しくなりそうです。

 

2023年10月8日 | カテゴリー : 塾の最近 | 投稿者 : わかば学舎

定期考査で130点アップした生徒さんが変えたこと

今回の中学定期テストにおいて、前回のテスト(前学年の学年末テスト)から5科目130点アップした生徒さんがいます。

実に1科目あたり26点アップの計算です。

これは純粋に「すごいこと」です。

 

たしかに、学年の最初のテストはほかの回に比べて点数が取りやすいと言われています。

とは言っても、

前回と同じような勉強の仕方でここまで伸びることは普通はありえません。

 

では、その生徒さんは何をしたのか。(変えたのか)

その生徒さんから聞いた話での変化と、私から見た変化をご紹介します。

 

【前回から変えたこと】

1.ワークを3周したこと

『ワークを1周もしくは1周すらやり切れずにテストの日を迎えていたが、今回は3周やれた』

よく勘違いしやすいところですが、ワークを3周したからといって、いつもの3倍の時間をかけたわけではありません。

なぜなら2周目と3周目はすでに正解している問題は飛ばしているからです。

 

ですので3周目が終わった時も、実際にはいつもの2倍の時間もかかっていません。

ですが、この効果は絶大です。

 

一度まちがった問題でも間を空けずに2度目、3度目をトライすることで飛躍的に正解率が上がります。

少なくとも印象には残り続けるので、本番でも解こうとする原動力が湧いてきます。

 

これはテストの際の大きな大きな武器になります。

ワークを1週やる時間があるのなら、ほんの少しだけ時間を追加して2周目、3周目をやってみましょう。

とても「コストパフォーマンス」のいい勉強法です。

 

2.勉強環境を変えたこと

『リビング勉強をしていたのをやめ、自室の勉強机での勉強に切り替えた』

よくあるのが、「ずっと自室で勉強していたがどうしても集中力が続かないのでリビング勉強に切り替えた」というものですが、この生徒さんの場合は逆ですね。

 

どちらにしても、環境を変えてみるのは意外と効果があるようです。

新鮮な環境での勉強は気分もいいですし、やる気も継続します。

 

この生徒さんの場合はさらに、勉強机の周りに「誘惑」になるようなもの(本やゲームなど)を一切置かないようにもしたそうです。

勉強に集中できる環境になるのはもちろんの事ですが、それよりも「こういう環境に変えよう」と決意した気持ちこそが、すでに高得点の予兆だったのかもしれません。

 

3.わからないところを徹底的に聞いたこと

『今まで塾ではほとんど質問しなかったが、何度も質問するようになった』

これは、私(講師)から見た変化です。

今年から塾のレイアウトを変えたり、運用方法を変えたりしたことも一因かもしれないのですが、以前と比べるとその生徒さんからの質問が格段に増えました。

 

「理解できないところを理解してから次に行く」

 

これは当然の事のようですが、出来ない、しない生徒さんはたくさんいます。

遅れているから早く先に進まなきゃという「あせり」や、疲れているから後にしようという「あきらめ」がそうさせてしまいます。

 

でもそれは、とてもリスクの高い行動です。

特に数学や英語は積み上げ式の学問なので、前回のつまづきは次回のつまづきに直結してしまいます。

 

そうならないためには、つまづいても立ち上がること(理解すること)です。

自力で立ち上がることが難しければ、迷わず手を挙げる(質問する)こと。

立ち上がるために手を指し伸ばしてくれる人がきっといます。

少なくとも塾で質問することに何の躊躇もいりませんよ。

 

【今日のまとめ】

今回130点アップした生徒さんの行動をまとめると、

  1. ワークを3周したこと
  2. 勉強環境を変えたこと
  3. わからないところを徹底的に聞いたこと

になります。

おそらくこの生徒さんには、この行動をするきっかけや決意があったのだと思います。

でも、やったことは何も特別なことでも奇抜なことでもなく、誰でもできることです。

これでいいんです。

 

伸び悩んでいる人の何かのきっかけになってくれればうれしいのですが。

 

忘れないための勉強

勉強の種類は大きく2つに分かれます。

 

1つ目は、まだ知らないこと、新しいことを理解するための勉強

そして2つ目は、理解した事を忘れないようにするための勉強です。

 

「中学校の定期テスト」などは1つ目の勉強の要素が多く含まれますが、「模試」や「受験勉強」などは2つ目の勉強の要素が非常に多く関わっています。

定期テストはできるのに、模試になると全然ダメというのは、この2つ目の勉強(忘れないようにするための勉強)をしていないからに他なりません。

 

簡単に言えば復習です。

それもちょっと前の内容の復習ではなく、1年・2年単位のずーっと前に習った内容の復習です。

 

ドイツの心理学者のエビングハウスという人が行った実験で、人間の脳はとても忘れやすく出来ていることが分かりました。

一度本気で覚えた事も、2日後にはその70%以上を忘れてしまうそうです。

なぜそんなに忘れてしまうのと思ってしまいますが、これは人間が健康に生きて行く上でどうしても必要な「能力」なので仕方ありません。

もし「忘れるという能力」が人間に無かったら、悲しみや辛い記憶もずっと鮮明に残り続けるため、いつまでも立ち直ることができず、つまり健全に生きて行く事が困難になってしまいます。

 

とは言っても、こと勉強に関してだけを考えると、「忘れる」という能力はなるべく発揮してもらいたくないですね😓

どうしたら覚えておきたい事をずっと忘れずに覚えていられるのか。

 

先述したエビングハウスは、もう一つの実験をしています。

それは、一度学習した内容を、適度なタイミングで何度か「復習」したらどうなるかというものです。

その結果ですが、以下の図にもあるように、復習をする度に記憶の定着率(ずっと覚えていられる割合)が格段に上がっていきました。

復習しない場合の記憶の定着率がわずか20%なのに対し、定期的に復習をした場合はなんと80%まで定着率が上がっています。

これが意味するのは何でしょうか?

 

例えばこんな会話が予想されます。

上の図の、青がA君、オレンジがB君です。

 

A君

今年おれら受験だよな。今まで習った事が100あるけど、確認してみたらおれ20しか覚えてないや。あと80もあるのかあ。覚えられるかな? おまえはどう?

B君

おれ? おれの場合は80は覚えてるから、あと20だけやり直すつもりだよ😌

A君

まじ? もしかしておれって、これからおまえの4倍も勉強しないと追いつけないってことなのか? うわ、テンション下がるわぁ😫

 

1年や2年も前に習ったことを、すぐに思い出せる人なんてそうそういません。

でも受験生がそんな事を言ってはおられず、半分以上の問題が前年、前々年の学習内容から出題される入試である以上、いやでも再学習して「覚え直す」という作業が必要となります。

この覚え直しをいかに早い段階で完了できるかが、その後の「やる気」や「学力の伸び」に大きく関わってきます。

 

教室の生徒さんには、毎回授業の始めに前学年の範囲からの10問テストをしてもらっていますが、これも忘れ防止、覚え直しのためです。

学校の成績がかなり良い生徒さんでも、すっぽりと記憶の穴がある場合がほとんどです。

 

そして今年からは、塾の中学生の学力テストを2ヶ月に1回のペースで実施しています。

これも前の学年の内容を、繰り返し繰り返し思い出すという効果を狙っています。

 

『忘れないための勉強』を意識しながら日々勉強すること。

 

これが、模試や実力テストで点数を上げる一番の近道です。

 

パズル道場体験会を開催しました。

5/21(日)にパズル道場体験会を開催しました。

午前の部、午後の部とで分けて開催させていただきましたが、皆さん本当に真剣にパズルに取り組んでくれました。

紙面だけではイメージしにくい問題も、道具を使って立体的にすると答えが出せた生徒さんや、慣れない問題に何度も書き直しをしながらついに自力で答えを出せた生徒さんなど、短い時間でしたが実りの多い時間だったと思います。

 

 

パズル道場について

 

2023年5月23日 | カテゴリー : 塾の最近 | 投稿者 : わかば学舎