「余白の時間」何に使ってますか?

中高生は忙しい、ように見えます。

実際に忙しいですよ! という生徒さんもいるかもしれませんね。

学校の授業のほかに部活もあるし、帰ったら塾とか翌日の予習とかやらないといけないし。

 

でも、それだけですよね?

 

実際には、そんな芸能人のようなスケジュールびっしりの生活をしている人は少ないと思います。

誰でも必ず、一日の中で自由に使える時間、「余白の時間」があると思います。

その「余白の時間」を皆さんはスマホで埋め尽くしてませんか?

 

別にその時間に”勉強したら?”と言っている訳じゃありません。

勉強じゃなくてもいいんです。

 

日々の生活にスマホ以外の時間の「余白」を作って欲しいと思います。

そしてその余白の時間を、自分のためにどう使おうかと考える癖をつけて欲しいと本当に思います。

 

おすすめは「散歩」です。

 

ええ~、散歩かあ、と思うかもしれません。

ただ歴史上、天才的な能力を発揮した偉人たちの生活習慣の中で、実は「散歩」が重要な役割を果たしています。

そして散歩には、人の創造的能力を高めてくれる効果があることもわかってきました。

 

あるアメリカの大学生48名を対象に、座っている状態と、ウォーキングをしている状態で『思考力を測定するテスト』を行ったところ、80%以上の学生が、座っている時よりもウォーキングしている時の方が、拡散的思考(ひらめき)が高まることがわかりました。

つまり、散歩の途中でユニークなアイデアをたくさん出せるようになったということです。

さらに、散歩中のみならず、散歩の後でも、この拡散的思考力が高まる効果が残っていることもわかりました。

 

確かにそうかも、って思いませんか?

スマホで動画やSNSを見たりしているときにはほとんどひらめかないのに、犬の散歩をしているときや掃除をしているときの方がひらめきが多いのはこのためか、と私も思いました。

 

今何か変えたいと思っている人や、いいアイデアを出したいと悩んでいる人は、もしかしたら「散歩」でいい解決策が見つかるかもしれませんね。

図形問題が苦手です。

「図形問題が苦手です。」

という生徒さんが意外と多いです。

 

どの学年も2学期の中頃から図形の単元となるのですが、そこまでの数式の計算や文章問題とは違い、視覚的なイメージ力だったり長さや角度を見極めるといった多少のひらめき力が必要となるのですが、そこを苦手にしている生徒さんが多いようです。

 

そんな人に是非試してほしいことは、問題の図形を別の用紙に『大きく』『丁寧に』書き写してみることです。

 

大きく書き写すことで見やすくなることはもちろん、図形を自分の手で書くためにはその図形をよく観察することにつながるため解法の糸口が見つかりやすくなります。

図形問題が苦手な人に限って、頭の中だけで図形問題を解こうとしているのですが、やめた方がいいです。

 

図形問題の多くは、そこに書かれていない長さや角度を記入したり、定理をあてはめるために補助線を引いたりする必要があります。

そういう作業をしてから初めて、答えに辿り着く道筋がやっと見えてくることもよくあります。

そしてその作業は、大きい図形であれば非常にやりやすく、書き込みも何の遠慮もなくすることができますよね。

 

苦手な問題や難しい問題は、たくさんの問題の図形を書き写して慣れるまで何度もやってみることです。

 

図形問題は特に経験値がものを言います。

つまり、図形問題を多く解けば解くほど、初めて見る図形でも解法の糸口が見つかりやすくなります。

 

図形問題は「書き込みまくってなんぼ」の世界ですよ。

 

今、受験生に一番必要な力

冬期講習、無事終了。

冬休みなので短い期間でしたが、今年は例年以上に参加者の多い講習となりました。

 

うちの塾の席数は10席です。

今回の講習では、それが毎時間埋まるくらいでした。

みんなの熱気や気合いを感じながら、換気やリフレッシュにも注意しながら、無事に終えることができたところです。

 

そして今年の特徴は、中3生の頑張りが目立ったことです。

冬期講習では(夏期講習もですが)、中3生のみ『一日受講コース』というのを設定しています。

朝の9時から夕方の4時まで、昼食休憩を挟んで6時間ぶっ通しで勉強するという少々ハードなコースなのですが、このコースに今回は4名の中3生が挑んでくれました。(通常は参加者が1名いるかいないかです。)

 

実はこのコース、「勉強時間が増える」こと以外にも隠れたメリットがあるのです。

 

一番必要なのは「やる気」でも「学力」でもない、「継続する力」だ

何かのタイミングで「やる気」は出せます。

例えば「模試が悪かった」、「先生に何か言われた」、「おすすめの勉強法を聞いた」などなど。

一時は次こそやってやるぞ、という気持ちで勉強に向き合うことは誰でもできます。

 

でも一番大事なのはそれを「継続する力」。

 

結局、きちんと継続できたものしか自分の力にはなっていきません。

 

  • 2,3回は頑張ったけど途中で辞めた勉強法
  • 途中で放り投げてしまった空白だらけの問題集
  • 最初は全科目まんべんなくしていたのが気がついたら手を付けなくなった科目

 

があったりして結局次のテストの時も実を結ばないのは、「やる気」とか「学力」が問題なのではなく、成果が出るまでそれを継続していないからです。

 

話は戻りますが、冬期講習の『一日受講コース』では、この「継続する力」を付けることができるようになります。

少なくとも今している『受験勉強』という取り組みに、やる気や学力などには頼らず没頭できるようになります。

 

これは、今この時期の中3生に一番必要な力です。

 

中3受験生に残された2か月間、まさに『継続は力なり』、『継続は栄光をつかみ取る』の言葉がふさわしい期間になることを、特にこの冬頑張った生徒さん達には大期待してしまいます。

 

『蛍雪の功』って古臭い?

蛍雪の功』という言葉が好きです。

 

この言葉の由来となったのはある中国の故事です。

 

“中国のとうしん王朝の時代。しゃいんという人物は、貧しくてともし火に用いる油が買えないため、夏になると数十匹の”“を集めて袋に入れ、その光で夜も本を読んでいました。また、そんこうという人物は、やはり貧しかったので、冬の夜には、窓辺に映る”“の明かりで本を読んでいました。二人とも、このように苦労して学問をした結果、高級官僚にまで出世したということです。”

 

昔は、「なんだか貧乏くさい話だなあ」くらいに思ってましたが、年を重ねるにつれて、この情景の美しさや、貧しくても勉強できることの尊さのようなものが伝わってきて、わずかな感動さえ感じるようになってきました。

 

そして、今なんとなく勉強している人にもぜひそんな気持ちになってほしいなと思っています。

 

塾生が塾にやって来るとよく言う言葉があります。

 

「先生、何やったらいいですか?」

 

おしい! と、つい思ってしまいます。

頑張って勉強をするために塾まで来たのはすばらしいことです。

が、できることなら塾が終わってそこを出るときの「成果」までイメージできるともっとすばらしいですね。

 

つまり、今日この塾で何をもぎ取っていくか、です。

そうしたら、今日何をやったらいいかは何となくでもわかるはずです。

でも、言うのは簡単、中々できる人がいないのも事実なんですが。

 

指示待ち」というのは一番楽な方法です。

今日やる課題を先生が教えてくれるまで何もせず静かに待っていることです。

目立つこともない代わりに特別悪いことをしているようにも受け取られない。

ただそれは本当はもったいない事です。

 

「指示待ち」をして先生からもらった課題に取り組むのと、自分が今日これをしようと思ってきた課題に取り組むのとでは、その課題にかける意欲理解度にかなりの違いが出てきます

 

実際に塾生を見ていると分かるのですが、何も言われなくとも自分で課題に取り組むの人は、必ずおしりを意識しています。

つまり今日のゴールです。

 

このゴールに到着するためには今日は何をどこまでした方がいいのか、できそうなのか。

終わった後は、今日貯金ができたのか、借金生活になってしまったのか。借金はいつまでにどうやって返していけばいいか。

ということを考えています。

 

塾で勉強する時間には限りがあります。

 

塾生にはぜひ「塾を利用できる人」になってほしいと思います。

 

できるだけ皆さんが取り組みやすいように学習計画表も渡してあります。

いつまでにどこまでやるかの目安は分かるようになっています。

質問はいつでも大歓迎状態で先生もスタンバイしています。

 

塾は自分のためにとことん利用すべきです。

 

最後に、

『蛍雪の功』の話のポイントは、その後二人とも大出世するところです。

 

定期考査で130点アップした生徒さんが変えたこと

今回の中学定期テストにおいて、前回のテスト(前学年の学年末テスト)から5科目130点アップした生徒さんがいます。

実に1科目あたり26点アップの計算です。

これは純粋に「すごいこと」です。

 

たしかに、学年の最初のテストはほかの回に比べて点数が取りやすいと言われています。

とは言っても、

前回と同じような勉強の仕方でここまで伸びることは普通はありえません。

 

では、その生徒さんは何をしたのか。(変えたのか)

その生徒さんから聞いた話での変化と、私から見た変化をご紹介します。

 

【前回から変えたこと】

1.ワークを3周したこと

『ワークを1周もしくは1周すらやり切れずにテストの日を迎えていたが、今回は3周やれた』

よく勘違いしやすいところですが、ワークを3周したからといって、いつもの3倍の時間をかけたわけではありません。

なぜなら2周目と3周目はすでに正解している問題は飛ばしているからです。

 

ですので3周目が終わった時も、実際にはいつもの2倍の時間もかかっていません。

ですが、この効果は絶大です。

 

一度まちがった問題でも間を空けずに2度目、3度目をトライすることで飛躍的に正解率が上がります。

少なくとも印象には残り続けるので、本番でも解こうとする原動力が湧いてきます。

 

これはテストの際の大きな大きな武器になります。

ワークを1週やる時間があるのなら、ほんの少しだけ時間を追加して2周目、3周目をやってみましょう。

とても「コストパフォーマンス」のいい勉強法です。

 

2.勉強環境を変えたこと

『リビング勉強をしていたのをやめ、自室の勉強机での勉強に切り替えた』

よくあるのが、「ずっと自室で勉強していたがどうしても集中力が続かないのでリビング勉強に切り替えた」というものですが、この生徒さんの場合は逆ですね。

 

どちらにしても、環境を変えてみるのは意外と効果があるようです。

新鮮な環境での勉強は気分もいいですし、やる気も継続します。

 

この生徒さんの場合はさらに、勉強机の周りに「誘惑」になるようなもの(本やゲームなど)を一切置かないようにもしたそうです。

勉強に集中できる環境になるのはもちろんの事ですが、それよりも「こういう環境に変えよう」と決意した気持ちこそが、すでに高得点の予兆だったのかもしれません。

 

3.わからないところを徹底的に聞いたこと

『今まで塾ではほとんど質問しなかったが、何度も質問するようになった』

これは、私(講師)から見た変化です。

今年から塾のレイアウトを変えたり、運用方法を変えたりしたことも一因かもしれないのですが、以前と比べるとその生徒さんからの質問が格段に増えました。

 

「理解できないところを理解してから次に行く」

 

これは当然の事のようですが、出来ない、しない生徒さんはたくさんいます。

遅れているから早く先に進まなきゃという「あせり」や、疲れているから後にしようという「あきらめ」がそうさせてしまいます。

 

でもそれは、とてもリスクの高い行動です。

特に数学や英語は積み上げ式の学問なので、前回のつまづきは次回のつまづきに直結してしまいます。

 

そうならないためには、つまづいても立ち上がること(理解すること)です。

自力で立ち上がることが難しければ、迷わず手を挙げる(質問する)こと。

立ち上がるために手を指し伸ばしてくれる人がきっといます。

少なくとも塾で質問することに何の躊躇もいりませんよ。

 

【今日のまとめ】

今回130点アップした生徒さんの行動をまとめると、

  1. ワークを3周したこと
  2. 勉強環境を変えたこと
  3. わからないところを徹底的に聞いたこと

になります。

おそらくこの生徒さんには、この行動をするきっかけや決意があったのだと思います。

でも、やったことは何も特別なことでも奇抜なことでもなく、誰でもできることです。

これでいいんです。

 

伸び悩んでいる人の何かのきっかけになってくれればうれしいのですが。