毎日勉強机に向かい、それなりに時間を掛けて勉強しているのに、なぜかなかなかそれが成績につながらないという子が相当数います。
そんな子たちの様子を注意深く見ていると、だいたい皆同じような傾向があることに気づきます。
きっと耳の痛い生徒さんもいるかとは思いますが、ここであえて紹介してみたいと思います。
~勉強時間は多いのに点数が伸びない子あるある~
<「作業する」「まとめる」事が好き>
やったつもりになってるだけの勉強をひたすらしている人がいます。
実は、かなりの人がこの勉強法をしています。
具体的には、
・教科書の内容をきれいに写す(だけ)
・時間を掛けてきれいなノートを作る(何色ものペンを駆使して)
・ノートに同じ単語や熟語を書きまくる
のような勉強です。
実際、手を動かして時間もかけているので、周りの人はもちろん自分自身でさえも勉強できていると錯覚してしまいますが、肝心の内容の理解はというと、かなり不足しています。
それでも何故それをしてしまうのかというと、「手っ取り早いから」です。
あまり考えることなくすぐに始めることが出来て、何よりも頭が疲れないからです。
そして頭が疲れない割には、ちゃんと成果(らしきもの)が残ります。
あまりやる気が起きないとき、部活で疲れているとき、何から手を付けていいか分からないときなどは、とりあえずこの方法で勉強っぽいことをやっちゃえ、となるわけです。
しかしこれでは、書きまくったものはたくさん残っても、残念ながら脳の中に大切な情報がほとんど残りません。
なぜなら、脳の中に入れる=記憶する、脳の中から出す=解く、という行為がほとんど行わていないからです。
まあ、やらないよりはましなのですが、
「労多くして功少なし」
時間を掛けてる割にはなかなか効果が上がらない勉強法であることは間違いありません。
<「記憶する」「解く」事が嫌い>
作業のような勉強、まとめるだけの勉強、書きまくるだけの勉強をしがちな子が特に嫌がる事、それが、「記憶する」と「解く」ことです。
前述したとおり、記憶するとは脳に情報を入れることであり、解くことは脳の中の情報を出す・使うことなのですが、実はこの作業は人間のエネルギーを大量に消費します。
よく、「勉強しかしてないけど腹減ったなぁ」という事がありますが、それは実は全然気のせいなんかではなく、本当に大量のエネルギーを消費することからくる当然の反応なのです。
そんな大量なエネルギーを消費して初めて、「記憶力」や「論理的思考力」が少しずつ獲得することが出来ます。
そして、当然それは、お腹がすくくらいですからけっこうな疲れを伴います。
その疲れることを意識的もしくは無意識的に避けてしまう子は、どうしても「記憶することが嫌い」、「解くことが嫌い」となるわけです。
少しでも楽をして勉強したい、疲れていてもとにかく先に進ませたいという気持ちはよく分かります。
でもそういった省エネ運転ばかりしていては、いつまで経ってもニセモノの学力しかつきません。
その事に早く気付いてもらいたいと思います。
では、どのように勉強するかですが、答えは簡単で、「記憶する」と「解く」をひたすら繰り返すだけです。
当たり前でしょ、と言われそうですが、なかなかそれを実践できる人がいないことも事実です。
よく、最初から「解く」だけをする人がいますが、これはダメです。
初めて学んだ分野については、必ず始めに『記憶する時間』を作ってください。
解く量にもよりますが、だいたい5~10分程度をひたすら記憶することだけに充てましょう。
教科書、参考書の概要・要点部分を使って記憶します。
それから「解く」です。
覚えた箇所に対応する問題集を使って、今度はひたすら「解き」ます。
覚えた箇所を見返してはいけません。自力で解きます。
これもよく見る光景ですが、問題を解いている最中に、忘れてしまった部分を教科書や参考書をチラチラ見返して書き写す人がいます。
これだと解き直しの際に困ります。どこが出来なかった問題なのか後で分からなくなってしまいます。
記憶することの重要性を軽く見てしまうとこうなります。
あと、変に完璧主義の子、プライドの高い子もやりがちな事です。
勉強とは、『分からないことを分かるようにする』ことですから、まず分からない部分を見つけない事には何も始まりません。
そしてその分からない部分を分かるようになるまで、「記憶する」→「解く」をただ繰り返すだけです。
✕「作業する」「まとめる」
〇「記憶する」「解く」
普段の勉強の中で、常にこのことを意識していれば、必ず成績は上がります。