二華中合格! この2年間の軌跡。

昨日、塾生A君の親御さんより、仙台二華中に合格しましたとの嬉しいご報告をいただきました。

合格、本当におめでとうございます!

 

4月からは二華中生として中学生活をスタートすることになりますが、おそらく今まで以上に刺激を受ける人たちと出会えると思います。

楽しみですね。

 

さて5年生の4月から入塾して来たA君ですが、学校での勉強は問題なく理解できるタイプで、先取り学習も十分できると判断したので、その年の夏休み前までには5年生の算数は勉強し終えていました。

 

そこからはひたすら二華中の総合問題対応の勉強を継続していましたが、小6の中ごろまではA君のご家庭では実はそれほど受検熱は強くなく、難しそうなら無理に受検しなくてもいいのではというお考えでした。

ただA君はマイペースなりに与えられた課題は確実にこなし、数少なく受けた二華中模試でも全体の真ん中くらいの成績を維持していました。

 

A君の良さは、一言で言うならば「ある一定の努力を継続できる力」を持っていることだと思います。

5年生から始めた日々の勉強は、恐ろしく単調なものに思えた時期もきっとあるはずです。

それでもA君は、一度たりとも宿題を忘れたことがなく、またその内容も毎回よく考えて解かれた跡がありました。

 

私は常々思うことがあるのですが、それは「天才に努力されたら誰も敵わない」ということです。

A君が天才かどうかは別として、ある一定の能力や技術を持っている人が、ある一定の努力を継続したら、ほとんどのことは叶うのではないかなと思っています。

今回のA君の合格を見て改めてそう感じています。

 

さて、受験勉強の後半では、開講したばかりの作文教室や冬休みの特訓教室にも参加しながら、毎日10ページ以上の自宅学習課題にも頑張って取り組んでいました。

 

また、最後の1か月で重視したことは時間との闘いです。

時間とは試験時間のことです。

総合問題50分、作文40分の時間を意識することは非常に大事なことなのですが、慣れていないと小学生が時間配分を意識することはかなり難しいことでもあります。

 

試験時間を意識するため、最後の1か月は塾に来るたびに総合問題または作文の模擬試験を受けてもらいました。

 

総合問題はどこに難問があるか分かりません。

最初の方の問題に難問があった場合、そこに多くの時間を割いてしまったためその後の簡単な問題にたどり着けなかったり、慌てて解いたためにうっかりミスをしてしまったりする場合があります。

 

こうならないためには、少し考えて難しいと判断した時はその問題をいったん諦め、次の問題に取り掛かかること、そして時間が余った時に飛ばした問題をもう一度トライする、がベストな方法です。

 

大人にとっては当たり前と思うかもしれません。

ただこれを確実にできるのは高校生以降です。

中学生でも定期テストや模試を何度か受けているうちにやっと身につく技術です。

ましてや初めて受検を経験する小学生がこういった時間配分を本番で意識することは非常に難しいことです。

 

こういった観点から、最後の1か月はこれでもかというほど毎回模試を解いてもらい、時間配分や解く順番を意識しながら解答の精度を高めるという訓練を行いました。

 

もし仮に、今回二華中に合格出来なかったとしても、A君はたくさんの技術を身に付け中学に進学することが出来たでしょう。

難問にチャレンジする力はもちろん、ある一定の努力を継続する力時間を意識する力最善の方法で問題を解く柔軟性など、今後どのような場面に遭遇したとしても、即戦力となる力を自分に装備することが出来ました。

 

今後の飛躍を大いに期待しています。

A君、おめでとう!

 

勉強スイッチのオンオフのコントロール

勉強スイッチのオンとオフをうまく切り替えよう、とよく言われますが、果たしてそんなことが上手にできるものでしょうか?

 

私の結論から言うと、ほとんど無理な話です。

 

「だらだら勉強するのではなく、集中するときは集中して休む時は休む。」

 

言うのは簡単ですが、実際にそんな芸当ができるのは一部の強靭な精神を持った人間だけなのではないかと思います。

 

大人の皆さんも、自分が子供だった時のことを考えればすぐに分かるはずです。

集中したいのに気がつくと違うことを考えていて、進みたいのに一向に進まない。

少しだけ休むつもりが、気がつくと何時間もベッドで寝てしまっていた。

 

もちろん私もそうでした。

どんなに自宅の勉強部屋を勉強しやすい環境にしても、どんなに勉強時間を守るようにしてもその効果は一時的で、すぐに勉強スイッチがオフになるということがずっと続きました。

それは私が”自宅=オフ”の人間だったからなのだと思います。

 

基本的に”自宅=オフ”の人間が、一度自宅に帰ってきてオフになった勉強スイッチを再度オンにすることは容易ではありません。

勉強スイッチを、自宅に帰った後(オフになった後)に再度オンにできる人が、真の「オンオフのコントロールができる人」なのでしょう。

 

オンオフのコントロールができない人はどうすればいいか。

出来るだけ「オフとなる環境に身を置かないこと」が一番の解決策です。

 

塾が一番だとは言いません。

学校、図書館、ファーストフード店など、自宅とは物理的に離れた場所に自分の身を置いて勉強できること、これが最も効果的です。

 

自宅=オフの人は自宅学習には向きません。

ある程度、家族の叱咤激励や訓練で自宅学習が出来るようになる人もいますが効果は限定的です。

 

そして、多少なりとも親子関係は悪化します。

親は子のオフモードをオンモードに変えるために、必ず叱らなければならない時があるからです。

 

子どもの自宅学習の力を信じたいという気持ちはよく分かりますが、オンオフをうまく切り替えられるほどまだ器用ではありません。

自宅外での勉強、これをどうしたら実現できるかを本気で考えてみると意外と解決策が見つかる気がします。

 

かく言う私も、受験前の一時期、勉強は全て自宅外ですることにし、自宅に帰ってからは一切しませんでした。

自宅に帰ってからは、ゆっくりご飯を食べゆっくりお風呂に入ってから好きなラジオを聞き、最後に小説を読んで寝るだけでした。

それでもこの自宅外学習を始めてから1年後の偏差値は10上がりました。

 

塾にいる今中3生の中にもこんな生徒さんがいます。

もともと週2回で塾に通われていたのですが、夏休み明けから週3回に、そして12月から週4回で通われることになりました。

 

これは親御さんではなく生徒さんの希望なのだそうです。

この子は自分を冷静に見極められているのだと思います。

自分はまだ志望校に行けるだけの学力ではない、ではどうすればいいか、自宅ではどうしても勉強がはかどらない、ならば気が乗らなくても眠くても強制的に勉強せざるを得ない場所に自分の身を置くしかない、という結論に達したのでしょう。

 

強い”と思いました。

 

結局のところ、勉強に必要なのは素質や頭の良さなどでは無く”強さ”なのだなと思ってしまいます。

自分の弱さを素直に認める強さ、他者ではなく自分に打ち勝とうとする強さ。

その強さがこの子の判断に繋がったのだろうと思います。

 

志望校は県内最難関校の一つ。

最後まで後悔なく挑み続けられることを願っています。

 

作文を学ぶことのメリット

作文の能力を伸ばすことは、中学入試に合格すること以外にも多くのメリットが存在します。

 

皆さんも、作文って何となくメリットはありそうかなくらいには思われているかもしれません。

 

作文を勉強する事で実際に身につく力とは、主には以前にもお話した以下のような力のことです。

  ・論理的思考力

  ・発想力

  ・表現力

  ・論述力

  ・語彙力

 

一つ言えることは、作文は知能を高めるだけでなく人の内面の力、『人間力』を高めることに大きな効果を発揮するということです。

しかし、これらの力が何故作文を勉強することで身につくのでしょうか。

それは、作文の取り組み過程に理由があります。

作文を書く場合、通常はあるテーマが与えられ、そのテーマについての自分の気持ち、考えを作文にします。

例としては、

 『絶滅危惧種の保護』

 『地球温暖化』

といった時事問題的なテーマだったり、

 『あいさつの効果』

 『最も悲しかった経験』

 『友達の必要性』

のような日常生活に関連したテーマだったりです。

 

このテーマに沿って、経験と知識を総動員して、自分が書くべき内容を頭の中で組み立てなければなりません。

この作業が得意な人もいれば不得意な人もいますが、とにかくこの作業は避けて通ることが出来ません。

 

よく考えてみて下さい。

「絶滅危惧種の保護」や「友達の必要性」というテーマについて、普通に生活している中で真剣に考えることなんて滅多にないですよね。

しかも、その事柄についての自分の見解を表明するなんて事も普通は絶対しないと思います。

それが出来るのが作文の勉強です。

 

そして、

『自分の見解を表明する』ことは、自ずと『自分の価値観の発見』につながります。

 

自分の価値観というのは簡単に言うと、”自分がどんなことに価値を見出すか”ということです。

イメージしやすいところでは、「善悪の判断基準」や「優先順位の決め方」などです。

 

例えば、次のような作文の課題があったとします。

『科学の発達についてあなたが思うことは何ですか』

『話し合いで一番大切なことは何だと思いますか』

 

少しだけ真剣に考えてみてください。

あなたは、科学が発達することについては好意的な方ですか、それとも懐疑的な方ですか。

あなたは、話合いで一番大切なのは自分の意見をきちんと伝えることですか、それとも相手の意見をきちんと聞くことですか。

 

ここで選んだ答えがあなたの価値観の一部です。

こういう自分の価値観は、いざ聞かれてみないと自分でもなかなかよく分からないものです。

作文の題材を通して、自分という人間がどういった感じ方や思想を持っているのかが少しずつ明らかになります。

つまり、自分の価値観を客観的に認識できるということです。

 

自分の価値観をあらかじめ認識できていることは、受験の作文課題の際には非常に役立ちます。

なぜなら作文課題でどんなテーマを投げかけられたとしても、自分の価値感に照らし合わせることで、『中身のある文章』、『説得力のある文章』をいつでも作ることができるようになるからです。

 

ぜひ皆さんも、作文を通して自分の価値観探しを続け、自分の中に価値観を主成分とする『一本の柱』を育ててください。

この柱を育てれば育てるほど人間力は向上し、作文も上達します。

 

では、具体的にどうすればいいでしょう?

 

スポーツと同じです。

体力」と「技術」を強化すればいいのです。

 

「体力」つまり書く力は、とにかく書くことで身に付きます。

単純なことではありますが、書く場数を増やしていかないといけません。

ただ中学受験生であれば、1~2週間に1作文(500~600字程度)のペースで十分です。

 

また”言葉のシャワー”も浴びましょう。

本やテレビ、インターネットなどを通してなるべく多くの言葉に触れ、その意味を意識的に理解するようにしてみましょう。

家族で討論なんてできれば最高です。

そうすることで、作文作成に必要不可欠な『語彙力』と『知見』がアップします。

 

そして「技術」

これは、作文に彩(いろどり)を与えてくれます。

例えば、”段落のつくり方”や”正しい文体”といった基本的な技術を身に付けることだけで、読者にとって格段に読みやすく、内容に没頭できる文章が書けるようになります。

 

更には、”書き出し文章の書き方”、”締めくくり文章の書き方”、”比喩の有効な使い方”など、もう少し高度な技術を身に付けられれば、個性的で印象的な文章、つまり「光る文章」を書くこともできるようになります。

 

これらの力を身に付けた時、それは生涯にわたる『武器』を身に付けたことと同じです。

様々な場面で自分を助けてくれます。

高校入試や大学入試だけでなく、就職活動、論文、企画書、提案書、報告書など、社会に出てからも日々求められる要求に対して、確実に役立つ力となります。

 

最後に、

目に見えない作文の効果もお伝えしたいと思います。

 

作文はそもそも、自分の思いや感情を相手に伝えるツールです

 

このツールを使って、ぜひ”伝える楽しさ”や”伝わる喜び”を感じてください。

 

この”楽しさ”や”喜び”を感じられるのは、他の教科にはない作文独自のメリットだと思うのです。

 

「伝える楽しさ」「伝わる喜び」を知ることは、取りも直さず、「学ぶ楽しさ」「生きる喜び」を知ることにほかなりません。

 

中学受験生のための「作文教室」

宮城県の中学入試では、ほぼ全ての学校で「作文問題」が出題されます。

(入試で「作文」を課す中学校)

 ・仙台二華中学校(500~600字)

 ・宮城教育大学附属中学校(160~180字)

 ・東北学院中学校(500~600字)

 ・秀光中等教育学校(400~500字)

 ・仙台白百合学園中学校(400~600字)

 ・聖ウルスラ学院英智中学校

 ・尚絅学院中学校(300字程度)

 ・宮城学院中学校

 

つまり、中学受験を考えている子にとって、作文は避けては通れない「大きな壁」になります。

「大きな壁」と表現したのはもちろん、ほとんどの子にとって作文が苦手分野になってしまっているからに他なりません。

 

ただそれは致し方のない面もあります。

学校の国語の授業では、文章の内容について考える「読解力」を上げることを主目的としていて、どう書けば相手に伝わるのかといった「作文技術」についてはほとんど教えてくれないからです。

せいぜい夏休みの課題として読書感想文を書くくらいですよね。

私も子供の頃に、どう書いたら伝わる作文になるのかについて教わった記憶が残念ながらありません。

 

にもかかわらず、どうして中学入試で作文が重視されているのでしょう?

それは作文を通して、その子が持っているさまざまな能力を手っ取り早く見ることが出来るからです。

具体的には以下のような力の事です。

  ・論理的思考力

  ・発想力

  ・表現力

  ・論述力

  ・語彙力

 

これらの力は、よく見るとどれも社会人に必要な力ばかりですね。

社会を生き抜く力」とも言い換えられると思います。

 

少し硬い話になりますが、2020年の教育改革により文部科学省が定めている「学習指導要領」が改訂されています。

社会の急速な変化に柔軟に対応する力をつける”という目標のための改訂なのですが、少々乱暴かもしれませんが、分かりやすく言い換えるならば『脱暗記』です。

つまり、これまでのように知識を詰め込む(暗記)だけでは駄目ですよ、と言っています。

これからは、その知識を活用しつつもその先の可能性を考えたり、または全く新しいものを生み出したりしながら、この社会を生き抜いていかなくてはならなくなる場面が多くなることを示しています。

つまり、論理的思考力発想力表現力といった力がこれまで以上に求められてきます。

 

際、今後10年~20年程度で半数近くの仕事が自動化される可能性が高いとも言われています。

 

今は中学受験のために仕方なく作文に取り組まないといけないという人も多いかもしれませんが、その勉強を通して得られる力は絶大で、この時期に「書く力」を鍛えられるのは非常に有意義です。

大きなメリットとして、自分の価値観』を見つけられる、気づくことができるということが挙げられます。

では、『自分の価値観』とは何でしょうか?

 

以下は、中学入試で出されるような作文問題の一例です。

・あなたは他の生物との「共生」を進めるためにはどんなことが必要だと考えますか

・「ゴミ問題」について、あなたが感じたり考えたりしたことは何ですか

・「勉強することの目標」についてどのように考えますか

 

作文の練習をすると、こういった問題に対する自分の考えを持たなければなりません。

真剣に考えなければいけません。

なぜなら、深く真剣に考えれば考えるほど、出来の良い作文が書けるからです。

今までなんとなく見聞きしていたことの一つ一つについて、自分の感情と理性を整理しながら自分としての答えを持ち、それを書くことで形にする。

これを繰り返すことで現れるのは、『自分の価値感』に他なりません。

 

自分の価値感を持つことのメリットについては次の記事でもお伝えしたいと思いますが、もっともっと作文の可能性をみんなに気付いてもらえたらなと思います。

少し考えて書くだけで、本当に伝わる作文が書けるようになります。

人とは違った、”光る文章”が書けるようになります。

 

そんな思いもあって、この度『作文教室』を中学受験特別講座として開講することに致しました。

「書く楽しさ・喜び」を知ることは、受験以上に大切なものもきっと得られるはずです。

 

作文教室

2022年10月13日 | カテゴリー : お知らせ | 投稿者 : わかば学舎

塾に通うことのメリット

塾に通うことのメリットって何でしょう?

 

難しい問題を解くヒントを聞けるから。

問題を解くためのテクニックを教えてもらえるから。

効率の良い勉強の仕方を教えてもらえるから。etc…

 

生徒さんが考えるメリットは色々とあるかもしれませんが、私が思う一番は、

毎週決められた時間に必ず勉強しかできない時間を確保できる

ことだと思います。

 

この時間は例外なく、必ず全員が勉強できます。

10分おきにスマホをチェックすることも無し。30分おきにベッドに寝転がることも無し。1時間おきに仮眠をとることも無し。

ただひたすら2時間、勉強だけに拘束されます。

 

これってかなり大きなメリットだと個人的には思っています。

自分が現役だった時のことを考えても、自分を勉強に縛りつける(られる)時間を確保出来たことが、塾を利用して本当に良かったなと思えたことでした。(講師の名言などは全然思い出せませんが^^;

 

そして逆に、塾に通わない場合の一番のデメリットもそれだと思います。

自分を勉強に縛りつける時間を、自分自身で見つけなければなりません。

これって、結構難しいことです。

特に中学生になると親の管理からも解放されがちで、自分の欲望のままに毎日を過ごしてしまいます。

テスト前でもなければ、自分を律して勉強机の前に座り続けるなんて、ほんの一握りの人しかできないのではないでしょうか?

 

だから、

せっかく塾に通っているのなら、あまり簡単には休まないほうがいいですね。

「疲れた」は「体調不良」ではありません。

「疲れた」けど、塾に行けば勉強ができるんです。

 

その「塾に通うことのメリット」を考えながら、生徒さんには塾に通ってきて欲しいなと思っています。